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おとなんつづり

ほっと一息、大人世代あれこれ。心豊かな暮らしを目指しています。

誰かの幸せのために純粋に頑張るエネルギーは最強だと思った日


個性的な会社で出会った先輩女性が、転職先で認められて嬉しかったお話です。いつもよりも長文になってしまいました。お時間あるときに、気晴らし程度にお読みいただけたら嬉しいです。

 

  

個性的すぎる会社

 

ハローワーク(職業安定所)の求人票から、エクステリア関係の仕事に就いたことがあります。その会社がものすごく個性的でした。

 

 

 

まず、部屋のインテリアが強烈なんです。

マンションの1室を事務所にしていましたが、とにかくモノが多い多い多い!モノというか、飾り物というか。エジプトスフィンクスのミニレプリカ、風林火山と書かれた大きな掛け軸、ヨーロッパ調のゴージャスな家具、阿弥陀如来像の絵が神々しい額。壁や出窓などがそれらで埋まっていて、統一性がまるでない事務所でした。

 

インテリアは社長の趣味なので・・・とやかく言うのは置いておいたとして。おや?と思うのは従業員が少なすぎる点です。大きな仕事をしているわりに、実際に仕事をしているのは家族と親戚、女性のパートさんが1人。あとは外注さんにお願いしていました。

 

 

 

事務所にはその女性パートさんと経理の奥様、その子供、たまに室内犬がいるという状態。その女性パートさんは、女優の吉田羊さんにそっくりなんですよ!

 

んもう~センス抜群でかっこいいのです。

 

 

▼吉田羊さん

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出展:株式会社ORANKU(おらんく)

 

 

 

個性的すぎる社長

 

ここで社長についてお話しておかなくては。

 

モノで埋め尽くしているのは、愛情不足のためじゃないかと思いましたよ。社長のお母さまは裕福で全身ブランドで固められた姿でした(私も1度お会いしました)。親子のスキンシップはあまりせず、モノを買って与えたと後で知りました。社長は愛人の子供で父親に認知されなかったそうです。父の愛を知りません。

要するに家庭の温かみをあまり経験しないで育ったようでした。

 

なので・・・

私たち従業員に対していつも、かまって欲しい、 必要とされたい、注目されたい、認められたい。そんな感情があって大変でした。

  

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仕事中に大声で歌ったかと思えば、急に泣いて何かを語りだして意見を求めたり、新しく買ってきたモノの良さを無理に共感しようとしたり。周囲がどんなに忙しくても、社長席に座ったらサッと灰皿が出ないと、ものすごく機嫌が悪くなったりしました。

 

ご自身が「中卒」だという部分に負い目も感じていて、同業の高学歴の仲間から下に見られるのを気にしている様子。逆にそれが社長の頑張りのバネになって、会社を持つまでになったんですが、気持ちは満たされないまま今に至る様子です。

 

 

 

 

そんな中、パソコンが出来る人を探していたようで、私がたまたま入社したという状態です。(実際はそれほど出来ないんですよ!以下にてお話します。)

 

 

ハローワーク(職業安定所)で応募して即採用

 

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私の履歴書は自分で言うのもなんですが立派に「見えます」。

立派なんじゃなく「立派に見える」ように書いているからなんです。

 

 

 

これは、いくつか転職を繰り返して得た私なりの技なんですが、その会社が何をしているかを漢字や横文字で並べて、それに携わった事を書けばいくらでも立派に見えます。人というのはよく分からない事を読んだり見たりすると、尊敬してしまうという部分があると思うんですよ。

 

この記事を読んでくださってる方も、そういう経験ありませんか?よくわからない専門知識を話されるとこの人すごい!って思ってしまうこと。

 

 

 

とはいえ、嘘は書かないようにしましたけども。

そこそこ大手の電機メーカーにいた経歴を書いたんです。面接をしたときに、その部分を絶賛されたので困ってしまいました。謙遜していると思われたので、私のスキルレベルを確認し合ってお互い納得のうえで入社となりました。

 

先ほども書きましたが、社長は「中卒」であることに負い目を感じているので、私のスキルレベルがどうのというよりも「大手に居た」という履歴が気に入ってしまったようでした。

 

 

 

 

これが間違いの始まりです。

 

このお陰で先輩の女性パートさん(以降、羊さんと呼びます)を傷つけ、過剰評価された私は苦しむことになります。

  

  

職務経験が浅かった彼女(羊さん)への冷たさ

 

羊さんは面倒見が良くて明るい人です。

どちらかというと、事務仕事より接待が合っているような社交的な感じで、人を楽しくさせるタイプ。困ってる人が居るとほっとけない。

 

自分がちょっと辛くても、相手が落ち込んでいると明るく笑って励ましてくれるような優しい心の持ち主です。

ものすごく情に厚いんですよ。

 

 

 

でも、羊さんは職務経験がほとんど無いので社長はいつも冷たいです。

後から入ってきた私には、新しいパソコンや机や観葉植物などを用意して迎えるのに、何かと羊さんの目の前で私を持ち上げ、羊さんに対する言葉や態度はとても冷たいんです。

 

私はそれが辛くて嫌でした。

仕事を教えてくれたり、助けてくれたり、励ましてくれるのは羊さんだけです。

 

 

 

気持ちを伝えると羊さんは・・・

 

「気にしないで~。私ほらこんなじゃん?言われても仕方ないよ。事務仕事苦手だしさっ」

 

 

 

 

お茶目に笑って、綺麗なネイルやまつ毛エクステを見せてそう言います。

 

確かに事務には不向きな姿ですが、誰よりも温かい心の羊さんを傷つけてると思うと、新しいパソコンなんて使いたくありませんでした。

思い切って「羊さんのお陰でこの仕事が出来た」と社長に伝えると・・・人の仕事を手伝う暇があったら、自分の仕事をキチッとしろと羊さんを責めます。

 

 

 

私が羊さんの立場なら、きっと落ち込んで顔に出ます。

 

そんな私の事なんて放っておいてもいいのに。どれほど温かくて優しいんだろうと思うと、胸がギュッとなる毎日でした。

 

 

羊さんの転職

 

そんなある日、小さな事件が起こります。

 

 

 

仕事が終わった後、社長が羊さんを連れて説教付きの夕飯が始まりました。社長のベンツで自宅までお見送り付きです。でも・・・ただでさえ人が少なくて忙しい仕事のあとで、そんな夕飯が待ってるなんて苦痛だと思いませんか?

 

その夕飯時間は何度も繰り返されました。

社長なりに羊さんを育てようとの意図があったんだろうとは思います。

 

 

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羊さんが珍しく泣いて、社長との夕飯内容を打ち明けてくれたんですが・・・

どうやら、社長は羊さんを育てている事に酔っていて、ご自身が認められたい。仕事とはこういうものだ、こうあるべきだ。だから俺はここまで上がってこれたんだを永遠と語っていたそうです。

 

 

 

 

羊さんの心身は疲れていきました。

顔色も悪く眠れない様子です。

 

 

断れば良いのにと思われるでしょうけど、家族と親戚しか居ない会社に雇われた場合、仕事とプライベートをきっちり分ける事は難しいです。休日の早朝でも仕事のグループLINEをチェックして連絡をしなければ、状況を掴めない環境でした。

 

それに、羊さんがこの会社に来れたのは社長の友人紹介でもあったので、断りにくかったんだと思います。社長と揉めたら友人の顔を潰すと思ってるようでした。そこがまた情に厚い羊さんらしさです。

 

 

 

このままでは自身が壊れると思った羊さんは、ようやく転職を決めました。今以上に過酷な勤務体制でしたが、新天地に飛び込んだんです!

 

どうか羊さんの良さが認められますようにと願っていました。

 

 

羊さんのその後

 

羊さんが退職してからも連絡を取り合い、時々会いました。

 

相変わらず冗談っぽく話すけれど、やつれた表情に苦労が見えて女の私でも思わず抱きしめたくなってしまいましたよ。人間関係も大変そうでした。

 

 

 

羊さんの仕事の内容は営業と事務と半分ずつくらい。

時間外労働がお給料に反映されない会社でした。世の中表に出てないだけで、残業代がつかない会社は多いと思います。私の経験上ですが。

 

 

転職先で認められた羊さん 

 

そんな羊さんと、先日久しぶりに会いました。

転職して3年くらいが経った頃です。

 

 

待ち合わせ場所に向かって、遠くから歩いてくる羊さんの姿がいつもと違う。

晴れやかで、カッコよかったんです!

 

 

 

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春の柔らかな陽射しの中、上質なロングカーディガンを風になびかせ、ハイヒールで歩いてきました。その爽やかさったらもう惚れ惚れします。

まさに吉田羊。

 

く~!!!かっこいい!!!これが本来の羊さんですっ。

 

 

 

「オトナン~聞いてっ。私お給料上がったの!」

 

羊さんが居なくては会社が成り立たないと経営者が言ってくれたそうで、今までの頑張りを認めてくれたとの事。どうやってそこまでになったのかを聞いて、最後にこう話してくれました。

 

 

 

「私、難しいことは分かんないからさっ。お客さんが喜ぶことを考えて一生懸命やってきただけなの。ほら私こんなじゃん?」

 

 

 

そう言って、またあの時のようにお茶目に笑って、綺麗なネイルやまつ毛エクステを見せてくれました。

 

そうか!あのときも私が喜ぶことを考えて一生懸命にしてくれたんだ!

なんて温かい人なんだろう。

じーんと胸がアツくなりました。

 

 

 

損得を考えず、純粋に誰かを喜ばせたいと思う気持ちは、いつか報われるんだと思うとものすごく嬉しかった。私はどうだろう。いつも頼って甘えてばかりで、こんな風に出来るだろうか・・・。とても自身が無いです。

 

立派な経歴と人格は必ずしも一致しないものですね。

私は心から羊さんを尊敬しています。

 

 

最後に

 

今振り返ると、社長は寂しい人だったんだと思います。子供の頃の満たされない寂しさをこの先埋める事が出来るんだろうか。寂しさを埋めたい気持ちが強いと、色々な人を巻き込むもんなんだなと感じました。

 

ただ、社長を育てたお母さまに罪は無いと思います。

お母さまにしてみれば、好きな人と結ばれない悲しさもあったでしょうし(ここは想像ですけど)モノを与えることが愛情だと思っていただけです。いろんな背景があっての状況ですから、それを良い悪いと白黒はっきりつけられないんじゃないかなと。

 

 

 

色々な人の感情が絡んで色んな事が起こるけれども・・・

誰かの幸せのために、ひたすら頑張るエネルギーは強い!最強なんじゃないかな~と思った1日でした。

 

 

 

長文になってしまいました。ここまで読んで下さってありがとう~

オトナンでした。

ではまた (╭ರᴥ•́)☆