おとなんつづり

オトナになっても純粋に。硬い心を柔らかくする為のブログ。

「メアリと魔女の花」レビュー。ジブリ感謝とスタジオポノックの挑戦

先日、映画「メアリと魔女の花」を観ました。

米林さんがジブリを出て、新しく立ち上げた「スタジオポノック」での第1回目作品ですね。どんな作品なんだろうかと期待いっぱいでした。今回は私なりに感じた事を素直に書きます。

 

 

今回の記事は、個人的な映画の感想です。

詳しいストーリーに触れないように書きますが、楽しみにしている方の先入観が入ると申し訳ないので、これから観る予定の方はスルーなさってくださいね。

 

 

「メアリと魔女の花」を観て感じたこと

 

私は米林宏昌さんの「思い出のマーニー」が大好きでした。

久しぶりに心震える感動をしたんですよ。今でも時々、映画のサウンドトラックと挿入歌を聴きながら、マーニーの世界に浸っています。

 

そんな事から「メアリと魔女の花」もかなり期待。予備知識を入れずに観てきましたよ。

  

 

 

ここでは、見所やキャストなどについて触れていません。

▼詳しくは公式サイトへどうぞ。
www.maryflower.jp

 

 

観終えてみると、ジブリ歴20年の米林さんの力量は素晴らしいものがありました。

ただ、期待するあまりモヤモヤする事もありましたよ。少々辛口ですが、素直に心に引っ掛かる点から書いていきます。

 

 

ジブリの「魔女の宅急便」を思い出す設定 

 

まず、なぜ米林さんがこの話を選んだのだろうかと疑問に思いました。

この映画の主人公はごく普通の女の子(メアリ)ですが・・・。

 

その女の子、メアリがホウキに乗って黒猫と空を飛び、魔法の世界へ向かう事になります。ジブリの「魔女の宅急便」を思い出してしまうのです。

画風も似ているので、思い出してしまって本編に集中出来ない時がありました。これは意図的なのか挑戦なのか、ちょっとモヤモヤした点です。

 

 

メアリの過去や悩みが分からない

 

映画はメアリが新しい部屋で荷物を片付けるシーンから始まります。

なぜその家に来たのか、その家に居て何が悲しい、寂しい、嬉しい、そして不安なのか。メアリの本音や、新しい環境での心の動揺などが描かれていないように思いました。

 

子供らしく好奇心旺盛に描かれていますが、それだけじゃないように思うんですよ。子供だからこそ、新しい環境で悩んだり悲しかったりするはずです。

メアリがどんな少女なのかは、お話が進んでいくうちに分かりますから、不要な要素かもしれませんけどね。

 

 

メアリが気にしている欠点「赤毛」がプラスで終わらない

 

話が進むにつれて、メアリが自分の「赤毛」を気にしている事が分かります。

赤毛の事で、笑われたり失敗たりして落ち込みます。ところが魔法の学校に行くと、その「赤毛」が素晴らしい!と絶賛されます。そんなに立派な赤毛にはなかなか出会えない。優れた逸材だと。

 

自分の嫌いな赤毛が、実は特別な存在なわけです。

本人も、赤毛である事が誇らし思えて嬉しくなるシーンもあります。

メアリ良かったね。嫌だなんて思わなくていいんだね、実は誇らしくて特別なんだね~と安堵したののですが・・・それは一瞬でした。

 

実は、赤毛を褒めたたえた人々は腹黒い世界に居る人で、後でとても嫌な目にあいます。その後、赤毛のエピソードが出てこなかったんですよね。

赤毛がプラスに変わって終わって欲しかったなぁという気持ちがあります。 

 

 

ジブリっぽいんだけど・・・

 

全体的に、風や水や景色の広がり方などはジブリっぽいです。見ていて安心感がありますが「どこかジブリっぽい」で終わってしまったように思いました。

魔法の学校というのは、こういう世界だよね、空を飛んだらこんな感じだよね、お庭の花というのはこんな感じ・・・という私が思い描く通りの世界です。

 

これはジブリファンの期待を裏切らないよう、意図してそうしたのかもしれません。だれもが「あぁこれからも、あの世界を観られるんだ」という嬉しさを感じられるように。

 

だけど・・・例えば、ナウシカだったら腐海があったり、ハウルだったら空の上で動く城があったり、千と千尋の神隠しならばあの和風な感じがあったりと、何かこう・・・

誰もが思い描くであろう空想の世界に、違う要素をプラスした独特の世界観があっても良いかなと思います。

 

この考え方は、観る人によって色々ですね。

 

 

スタジオポノックでゼロからのスタートに感謝 

 

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出展:楽天ブックス|メアリと魔女の花 オリジナル・サウンドトラック [ 村松崇継 ]

 

 

米林作品に期待するあまり、ずいぶん辛口意見を書きました。

誤解の無いように言わせていただきますが、私はこの映画を観て良かったと思っていますよ。ありがとう!と感謝の気持ちでいます。

 

エンドロールで「感謝 宮崎駿」という文字も流れました。

ジブリ時代を思い出しながら、ワンシーンづつ大切に作品を作っているなという感じも受けましたよ。とても丁寧な作品です。

 

そして、改めてジブリという大きな壁を超える事は難しいのだと思いました。宮崎駿さんの世界はオリジナル。あの世界観をベースにして切り開くのは、かなり難しいのではないでしょうか。

 

ジブリはジブリ。

これからは、スタジオポノックでしか表現できない世界を作るべきなのです。

 

 

 

私は今回、気合いが入りすぎて大人の目線で映画を観てしまいました。

大人の心でこの映画を観てしまうと、魔法の学校に行けません。

自分も一緒に魔法のホウキに乗って空を飛べなければ、この映画の素晴らしさを感じる事は出来ないなと思ったのでした。

 

 

これから映画をご覧になる方へ

 

もしも、これからこの映画を観ようと思っていたのに、この記事を読んでしまったとしたら・・・どうかお願いです。

始まる前に1度深呼吸して、子供の頃の純粋な気持ちでスクリーンを眺めてください。

そしたらきっと、メアリと一緒にあなたにしか見えない何かを発見できると思います。

 

私も純粋な視点でもう1度観たい。

そして、メアリと一緒に空を飛んでみたいと思います。