おとなんつづり

オトナになっても純粋に心豊かに。自由な視点で綴ります。

心に余裕がない時に思わず使ってしまった冷たい言葉の行方


先日、定年退職予定をしているオジサマとお酒を飲みました。

過去の辛かった経験談などに話が発展し、オジサマの意外な一面を見たんですよ。優しい人ほど、人を傷つけた事を深く後悔すると共に、その経験を無駄にしないんだなと思いました。

 

 

 

残業が多い事が美学な時代があった

 

私はバブル経験者です。

当時はモノづくりを海外に任せる事も少なく、国内で色々な分野の会社が助け合って製品を作っていました。大企業の製品として世の中に出ているモノでも、実は中小企業の方々の汗の結晶であったりして、お互いが持ちつ持たれつの関係でした。

 

そして、残業が多い事は企業のマイナスイメージではなかったんですよね。むしろ「成長している証」みたいなイメージ。

 

現在は労働基準法やコンプライアンスなどで、労働者を守るような社会になりつつありますが、一昔前はあまり広まっていなかったんですよね。

 

 

 

そんな時代を懸命に働いてきたオジサマが、定年退職をむかえようとしています。

先日、40年間ずーっと心にひっかかってる事があるんだと告白してくれましたよ。

 

何かのプロジェクトの失敗談かなぁと思っていたんですが、意外なお話でした。

 

 

深夜残業が続く生活

 

残業が多い事が美学とされていた時代のお話です。

仕事も無いのに残業をするという、生活残業的なレベルではなくて。

 

連日、深夜まで働かないと納期に間に合わない、生産が止まる。又はこのトラブルを解決しないと何千万もの損失を起こしかねない・・・などの切羽詰まった残業です。

こういう仕事は本当にキツイ。同じようなプロジェクトで少し関わった事がありますが、もうヘトヘトでした。ずっと緊張感があって身体にこたえますよね。

 

 

このオジサマもそんな状況で働いていたひとり。  

毎月200時間の残業をしていたそうです。

毎日毎日、朝4時に家に帰り、朝7時に家を出る生活だったとの事。

 

200時間って想像できますか・・・。平日は深夜残業が当たり前、土日は休みなしのフル稼働な状態です。機械のように働く。働く。ひたすら働く。

 

 

 

毎日、会社と家の往復のみ。3時間しか家に居ない生活なわけです

帰宅しても、脳が冴えて眠れない事も多かったそうですよ。睡眠不足、過度なプレッシャー、不規則な食生活。健康面だけでなく精神的にもおかしくなるでしょう。

 

 

 朝4時の新聞配達少年の挨拶に「うるせえ!」

 

ある日、いつものように朝4時に帰宅したとき。

新聞配達少年が「おはようございます!」と挨拶をしてくれたんですって。

爽やか。純粋。元気。そして、笑顔。

 

思わず・・・

「うるせえ!」 って。勝手に口から言葉が出たんだそうです。

 

 

 

すぐに、ハッとしたそうです。

心に余裕が無い時は思ってもいない言葉が出る事、あるんですよね。忙しいというのは心を亡くすと書きますから。ほんとに不思議なこと。

 

でも、発した言葉はもう取り返しがつきません。

ものすごい後悔をしたんだそうですよ。俺は何て事を言ってしまったんだって。

少年の容姿を見て、家計を助けるための早朝アルバイトではないかと思ったそうです。そんな一生懸命な、純粋な少年を傷つけてしまった事を深く後悔したんですって。

 

謝りたくても再会出来ず、何にもしないまま40年。

あの一言がずっと忘れられないんだそうです。

 

 

挨拶の大切さ

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そういえば・・・オジサマが新人を育てている時期があったんですが。

挨拶にこだわるなぁと思っていたんですよ。

 

うんうん、オジサマは真面目だもんね!程度に思ってたんですが、こういう背景があったんですね。新人はそのお陰で、挨拶の大切さを学んだことでしょう。

あのとき、「うるせえ!」と言ってしまった事を、まぁ仕方ないや。俺も疲れてたしなぁと流していたら、新人は挨拶に対してそれほど多く学ばなかったはずです。

 

それに新聞配達の少年も、一瞬傷ついたかもしれないけれど、空気をよんで挨拶する事を身につけたかもしれません。

 

 

消えない過去は、自分次第で変えられる 

 

誰かを傷つけてしまって、もう取り返しがつかないとき。

謝ろうにも伝えられない時ってありますよね。

過去は消えないから、繰り返し自分の頭の中で悔いてしまう事って誰にでもあると思うんです。私も思い当たることけっこうあります。

 

過去を生かして何かの行動を起こしたとき、どこかで誰かの役に立つときもある。自分次第で変えられる過去もあるなと思ったんです。

 

飲み会の席がお開きになり、オジサマを見送ったとき、爽やかに手を上げていた姿が印象的でした。オジサマ自身は今でも後悔しているでしょうけれど、40年こだわった挨拶は沢山の人を幸せな気持ちにしているんだって事、伝えたい。

だけど、伝えたところで納得してくれないだろうなぁ。

 

 

 

それにしても・・・このオジサマに関する事で4つも記事を書いてしまった。

恐るべしオジサマパワー!たぶんあの人柄がそうさせるんだろうなぁ。

 

私もオバサマパワーを磨こう。

 

 

 

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